大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)404 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大橋茹、同斉藤寿の上告趣意一点について。

しかし、判決において認定された犯罪事実は、単にいわゆる事実の摘示の部分に

局限して故ら狭く理解すべきではなく、挙示の証拠、引用された法条等判決書の全

面に索めて広く理解すべきものであることは多言を要しない。されば、本件人絹糸

が指定生産資材であることに関する原判決の説示は何等従来の判例に反することな

く、従つて、これを是認して差支えないものといわなければならない。所論は、明

らかに刑訴四〇五条に当らないし、また、同四一一条を適用すべきものとも思われ

ない。

同二点について。

昭和二四年一〇月二五日人絹糸が指定生産資材から除外されたことは所論のとお

りである。しかし、人絹糸が将来に向つて統制から解除されたからといつて既往に

おいてその統制に違反し成立した犯罪の刑を廃止したと解すべき何等の理由も存し

ない。されば、刑訴四一一条五号の事由があるものともいえないから、所論は採用

できない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号に従い主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年一〇月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斉 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 岩 松 三 郎

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